2023/06/29坊っちゃん文学賞のショートショート書き方講座を受けた感想と作品
今日は坊っちゃん文学賞のワークショップに参加した。
ショートショートの書き方について田丸雅智先生に教えていただき、実際に書いて他の方々と共有するというもの。
やってみてすごく楽しかった!
ショートショートは星新一を読んだり、ちょっとだけ筒井康隆を読んだりくらいの浅い知識しか持ち合わせていなかったが、これは読むのだけではなく書くのも面白そうだなと。
私が書いたのはこんな感じ。
『Best Books』
2050年。世は大AI時代。ビジネスではAIが大活躍し、当初あった不安の声も薄れてきた。
そんな時にリリースされたのが「Best Books」だ。これは、タブレット端末を買うと自分に最適化された世界に一つだけの本を読むことができるという優れもの。しかも、物語の途中でもどんどん最適化されていく。もちろん、面倒くさい手続きも必要なし。読む速度や体の様子をウェアラブル端末で読み取って分析し、最適化してくれるのだ。もちろん読めるのは一作だけではない。月額課金制で、読みたいテーマやボリュームを選べば、その通りの本がいくらでも作成される。
最初は不安視の声も大きかったが、1年も経つと流行するようになった。なにしろ、自分の好きな雰囲気で自分が面白いと思っているものばかり読めるのだ。最初は忌避感を抱いていた人もサービスにのめりこんでいった。人々の娯楽はBest Booksに集中していく。
Best Booksを当たり前のようにみんなが使うようになってから数年が過ぎた。そんなある日少年はBest Booksを壊してしまう。そして呆然とする。困ったことに、面白いと思えるものがなくなってしまったのだ。これまで面白いと思っていた本も、何が面白かったのかわからなくなってしまった。どの映画を見ても思想の押し付けのように見えるし、絵画も品がないように感じる。少年は急いでBest Booksを修理するために店に向かった。
映画を観た後Twitterの評価を確認して自分の評価らしきものを固める、というような行動が問題になってたな〜と思い、絡めたかったんだけど難しくてできなかったやつ。
娯楽が一つのコンテンツに集中することはないように思うし、娯楽以外にも人に触れたりすることで視野は広がるから、こういう物語は成り立たないだろうな。
主人公をBest Booksだけ読んで引きこもっている人間にしたり、Best Booksオタクが最高の本を決めるために競い合うみたいなストーリーだともっと面白かったのかも。
反省点はあるものの、考えるのはとっても楽しかった!
しっかり考えて良いものが書けたら坊っちゃん文学賞に送ってみようかな。